こんにちは、転職案内人です。
現役の薬剤師として、いまも現場で働いています。係長として複数店舗を管轄する立場になって、自分自身もチームを動かす側、そして「上司に動かされる側」の両方を経験してきました。
このブログを始めた理由のひとつが、まさに今日のテーマです。
「上司ガチャ」で薬剤師人生は本当に変わる。
これは精神論でも愚痴でもなく、現場で起きているリアルです。同じ会社、同じ職種、同じ調剤薬局でも、上に立つ人間が誰かによって、毎日の働きやすさも、心身の削れ方も、何もかも変わります。
そして、いま読んでくれているあなたが「最近やたらしんどい」「自分が悪いんじゃないか」と感じているなら、はっきり言わせてください。
それ、たぶんあなたが悪いんじゃないです。上司側の問題です。
この記事では、私自身が現場で出会ってきた「機能不全な上司」のパターンを、実体験ベースで4つ整理しました。読んだうえで「ああ、うちの上司まんまだ」と感じたら、転職を選択肢に入れてもいい段階だと、現役薬剤師として本気で思っています。
そもそも「機能不全マネジメント」とは
ここで言う機能不全マネジメントとは、
- 上司として果たすべき責任を果たさない
- 部下に判断させたあとで責任だけ取らせる
- 報連相のラインを上司側が壊す
こういう、「役職としての機能を果たしていない上司の働き方」を指しています。
ちなみに私自身、いまの職場では直属の上司が3人いるという、なかなか珍しい指示系統で働いています。指示系統がそもそも歪んでいる組織は、上司個人の問題というより、構造として機能不全に陥りやすい。これも先にお伝えしておきます。
では、ここから具体的に4つの特徴を見ていきます。
特徴①:嫌な役回りを部下に切り出させる上司
一番しんどいのがこのタイプです。
私が直属で組んでいた上司Aさん(仮名)は、こういう人でした。
ある時期、ある店舗の事務員さんたちのあいだでトラブルが起きていました。会社への不満が募り、月次報告に「ふざけるな」という発言まで上がってしまった結果、事務員全員を異動させるという、かなり重い決定が下りました。
1人目の異動を伝える時は、部長同席で実施されました。これは妥当な対応です。重い話だから、上の人間が責任を持って伝える。当然のことです。
問題は2人目でした。
異動を伝える直前、上司Aさんから私にこう言われたんです。
「私が言ってもいいけど、あなたが言うのと私が言うの、どっちがいい?」
これ、選択肢を与えているように見えて、実質「お前から言え」と言っているのと同じです。上司が伝えるべき重い話を、現場の係長に切り出させる。私はその場で本人に伝える役回りになり、結果として残った事務員さんから一方的に敵扱いされるようになりました。
それまでは、会社と現場の緩衝役として、飲み会も含めて関係を地道に作ってきた相手でした。それが、上司Aさんが自分の役割を放棄したせいで、一瞬で壊れたんです。
部下の異動、評価の悪い話、嫌な通告。本来これは上司の仕事です。
これを部下に切り出させる上司の元では、あなたが現場の人間関係をいくら丁寧に作っても、上から崩されます。
これは逃げていいサインです。
特徴②:矛盾した指示を平気で出す上司
同じ上司Aさんの話です。
私が当時管轄していた店舗のひとつは、都市部にある処方箋150枚/日規模の店舗でした。通常は4〜5名体制で回しています。それでも繁忙期は厳しい人数です。
ある時、その店舗が欠員で4名体制になりました。当然、現場は限界です。私は上司Aさんにヘルプ要請を出しました。返ってきたのは、
「他に出せる人がいない」
の一言。
ところが、別の時期、私の管轄する店舗に少し余裕が出た瞬間、同じ上司Aさんはこう言ってきました。
「ヘルプを出せ」
…同じ人の口から、です。
こちらが困っている時は「人がいない」、こちらに余裕がある時だけ「出せ」。
これがダブルスタンダードでなくて何なんだという話です。
このタイプの上司の何がしんどいって、こちらが論理的に話そうとしても通じないことです。「いやさっき逆のこと言ってましたよね?」と確認しても、本人の中ではつじつまが合っているらしく、責められたと感じて不機嫌になる。最終的に、こちらが「もういいや」と諦めるところに着地します。
矛盾を矛盾と認めない上司の元では、現場側がいくら工夫しても疲弊するだけです。これも逃げていいサインです。
特徴③:報連相が機能しない上司
別の上司、上司Bさん(仮名)の話をします。
上司Bさんは複数店舗を管轄する立場の人で、もともと別店舗時代から評判が良くなかった人物でした。それでも私は、立場上ちゃんと連携を取ろうとしました。
具体的にやったことはシンプルです。
- 週報で質問する
- メールで確認する
- 判断が必要な案件は事前に共有する
ところが、返事が返ってきません。質問しても無視、メールも数日放置。判断を仰ぎたいのに、判断者が動かない。
業務は止められないので、こちらも仕方なく動きます。すると、
「お前、勝手にやっただろ」
と、後から叱責されるんです。
極めつけは、ある店舗の人員追加について、私が会議で社長に直接確認を取った時のことでした。社長から「OK」の返事をもらえて、これで前進すると思っていた。ところが後日、上司Bさんに呼び出され、
「お前の会議での言い方が悪かった」
と責任転嫁されました。中身ではなく、伝え方への難癖です。
報連相を試みても返ってこない、勝手にやれば叱られる、判断は仰げない、責任だけは取らされる。
これは部下が悪いのではなく、上司側が判断機能を放棄しているだけです。
このタイプの上司の元にいると、自分の判断力にまで自信が持てなくなります。これは本当に危険なサインです。
特徴④:人間関係のしわ寄せを部下に向ける上司
特徴①と少し重なりますが、これは独立して書く価値があります。
機能不全な上司は、自分が嫌われる立場に立つことを徹底的に避けます。代わりにどうするかというと、
- 嫌な通告は部下に言わせる
- 板挟みになる役回りを部下に押し付ける
- 自分は「いい人」のポジションに残る
これをやられると、現場の部下は会社からも、現場のスタッフからも板挟みになります。
私の場合、先ほどの事務員さんへの異動通告がまさにそれでした。本来は会社(上司)と現場のあいだに立つ緩衝役として、私は両方と関係を作っていた。それを、上司Aさんが「あなたが言って」と一言投げてきただけで壊しました。
そして残った事務員さんからは、
「あの人(私)が異動させた」
と認識される。事実は違うのに、構造的にそう見えてしまう。上司Aさんの保身のために、私の現場での信頼関係が消費されたんです。
これは、長く同じ職場で誠実に働いてきた人ほど、ダメージが大きい構造です。
「逃げていい」と判断するための3つの基準
ここまでで4つのパターンを書いてきました。
じゃあ、自分の上司がこれに当てはまる時、どこで「もう転職を考えていい」と判断していいのか。
私が現役薬剤師として、自分自身にも問いかけてきた基準は、シンプルに3つです。
基準①:改善提案が通らない、または「勝手」扱いされる
人員配置、シフト、業務フロー、なんでもいいです。
あなたが「ここを変えたら現場がもっと回る」と提案した時、
- そもそも返事が来ない
- 動いたら「勝手」と言われる
- 通った後に「言い方が悪かった」と責任を取らされる
このいずれかが繰り返されているなら、その組織であなたが伸びる余地はかなり狭いです。
基準②:報連相を試みても返ってこない
これは特徴③とまったく同じです。
判断者が判断しない組織は、どんなに優秀な部下がいても回りません。
そして部下側が「自分の伝え方が悪いのかも」と思い始めたら、もう削られている証拠です。
基準③:自分の心身が削られている自覚がある
最後はこれです。
朝起きて職場のことを考えるとお腹が痛い、休日も上司のメールが気になる、家族や友人に対して笑えなくなった。
心身からのサインは、最終警告です。ここまで来たら、もう「逃げる」ではなく「逃げる以外の選択肢はない」段階だと思っています。
環境を変えることは「逃げ」じゃない
ここまで読んでくれて、「いや、でも転職は逃げな気がする」と感じる方もいると思います。
現役薬剤師としてはっきり言います。
機能不全な上司の元から離れるのは、逃げではなく、まっとうな判断です。
私たちは医療職です。患者さんと向き合う仕事です。自分の頭と心が削られた状態で、目の前の処方箋に正しく向き合えますか?という話なんです。
ミスが起きやすくなる、判断が鈍る、笑顔がなくなる。それは患者さんにとっても損失です。
そして薬剤師という資格は、強いです。
店舗が変われば、上司が変わります。会社が変われば、文化ごと変わります。「上司ガチャ」を引き直せる職種だということ、これは現場で十数年やってきた立場から保証します。
まとめ:あなたが悪いんじゃない、環境が悪い
最後にまとめます。
逃げていい上司の特徴:
- 嫌な役回りを部下に切り出させる
- 矛盾した指示を平気で出す
- 報連相が機能しない(質問返さない/勝手にやれと言うくせに後で叱責)
- 人間関係のしわ寄せを部下に向ける
逃げていい判断基準:
- 改善提案が通らない、または「勝手」扱いされる
- 報連相を試みても返ってこない
- 自分の心身が削られている自覚がある
ひとつでも強く当てはまるなら、「この職場でしか働けない」という思い込みは、いったん外してください。
転職サイトに登録して、求人を眺めてみるだけでもいいんです。「世の中にはこういう職場もあるんだ」と知るだけで、いまの職場が相対化されます。それだけで心が軽くなる人を、私は何人も見てきました。
行動するかどうかは、情報を見たあとで決めればいい。
まずは、自分の選択肢が思っているより広いことを、知ってほしいなと思います。
転職案内人としては、「動く前に、まず比べる」を強くおすすめしています。
複数の薬剤師向けエージェントに登録して、求人と条件を見比べてみる。それだけでも、いまの職場の異常さに気づけることが多いです。
このブログでは、現役薬剤師としての本音ベースで、転職や職場の話を書いていきます。
あなたの「逃げていいかどうか」の判断材料になればうれしいです。
※本記事の体験談は運営者個人のものです。会社・店舗・人物の固有情報は伏せています。