こんにちは、「転職案内人」です。
現役の薬剤師として働きながら、5店舗を管轄する係長をしています。

突然ですが、あなたはこんな経験はありませんか?

私自身、約2年前に薬剤師向けの転職エージェントを使ったとき、まさにこの違和感をリアルに味わいました。
今回は、そのときの実体験を包み隠さずお話しします。
これから転職活動を始める薬剤師さんが、同じような目に遭わないように、参考にしてもらえたら嬉しいです。


1. エージェントとの出会いは「よくある登録フォーム」から

当時の私は年収約650万円。係長になる少し前で、「もう少し条件のいい職場はないかな」と軽い気持ちで、ある転職支援会社(仮に「Aエージェント」と呼びます)に登録しました。

登録後すぐに電話がかかってきて、その後はメールと電話の両方でやり取りが進んでいきました。
最初の印象は、正直そこまで悪くありませんでした。担当者は丁寧で、こちらの希望もきちんとヒアリングしてくれた…ように見えたんです。

私が伝えた希望はシンプルでした。

「わかりました、ご希望に沿った求人をお探しします」
そう言われて、提案を待つことになりました。


2. 提案された案件が、すべて「年収100万円ダウン」だった話

数日後、メールで届いた求人票を見て、私は目を疑いました。

提示されていた年収は、どれも550万円台ばかり。

私の現職は650万円。つまり、提案されたのはほぼ全部「年収100万円ダウン」の案件だったのです。

「いや、希望は600万円以上ってお伝えしましたよね?」と聞き返したら、担当者からの返事はこうでした。

「市場的にこのあたりが妥当でして。まずは実際にお会いして、企業さんの雰囲気を見ていただくのがいいと思います」

このとき、頭の片隅で「あれ?」と引っかかったのを今でも覚えています。
あとから冷静に考えれば、エージェント側からすれば 「決まりやすい案件=紹介手数料が早く確定する案件」 を回したくなるのは当然なんですよね。
求職者の希望よりも、自分たちが動きやすい案件を優先している印象を強く受けました。


3. 「キャンセル不可」で囲い込まれた違和感

それでも、「実際に話を聞いてみないとわからない部分もあるか」と思い直して、面談を一件受けることにしました。

ここでまた違和感が走ります。
面談日程の確定連絡が来たとき、担当者からこう言われたんです。

「これ以降はキャンセルできませんので、絶対に面談してください

…絶対に?

転職って、本来こちらの人生がかかった話のはずです。
体調不良や急な仕事のトラブルだってあり得る。それなのに「キャンセル不可」「絶対」と強い言葉で縛ってくる。
このときに初めて、「これは求職者のための面談じゃなくて、エージェントの"数字"のための面談なんだな」と肌で感じました。

押しの強さに飲まれそうになりながら、なんとか面談当日を迎えました。


4. 交渉後の提示額と、希望額のズレ

面談自体は、まあ普通でした。
企業側の担当者も悪い人ではなかったし、職場の雰囲気も悪くない。

問題は、面談後の年収交渉です。

エージェントが企業側と交渉してくれた結果、提示は 550万円 → 570万円 にアップしました。
たしかに数字だけ見れば、20万円上がっています。「頑張って交渉しました!」というドヤ感も、メールの行間からにじみ出ていました。

でも、私の希望は600万円。現職は650万円。
570万円でも、現職より80万円ダウンです。家族もいる中で、年収80万円ダウンはなかなか飲み込めない数字でした。

正直に「希望と差があるので、今回は見送らせてください」と伝えました。


5. 断った瞬間、トーンが変わった

ここからが、いちばんゾッとした部分です。

私が辞退の意思を伝えた瞬間、担当者の口調が一気に変わりました。

「そうですか。ただ、一度断られた以上、もうこの会社には今後転職はできないと思ってください」

…脅し、ですよね。これ。

冷静に考えれば、企業側との関係はエージェント1社だけで決まるものではありません。
タイミングが合えば、別ルート(直接応募や別エージェント経由)でアプローチする選択肢だって本来はあるはずです。
私自身、今でも「タイミングがあれば、個人的にもう一度その会社にアプローチするのはアリ」だと思っています。

でも、転職に慣れていない人がこの言葉を真正面から受けたら、どうでしょう?
「えっ、もうダメなの?じゃあ570万円でも決めるしかないのか…」と気持ちが揺らいでもおかしくありません。
この"揺らぎ"を作るために、わざと強い言葉を使っているんだろうな、と感じました。


6. ようやく見えた、エージェントのインセンティブ構造

ここまでの流れを振り返ると、見えてくるものがあります。

転職エージェントの収益は、求職者が転職を決めて初めて発生する成功報酬です。
しかも、報酬額は「決まった年収の◯%」で計算されることが多い。

つまり彼らにとっては、

が、いちばん"おいしい"わけです。

私のように「希望年収を譲らない求職者」は、エージェントから見ると 手間がかかる客 に映ります。
だからこそ、決まりやすい年収帯(=今より低い年収)の案件を回したり、「キャンセル不可」「もう転職できない」といった強い言葉で揺さぶりをかけてくる。

これは担当者個人の問題というより、業界の構造的な話だと私は思っています。
だから、「悪い人かどうか」だけで判断するのではなく、仕組みを理解した上で付き合うことが大事です。


7. 私が学んだ「悪質エージェントを見抜く3つのサイン」

この経験から、私なりに「気をつけたほうがいいエージェント」の特徴を3つにまとめました。

サイン①:提示年収が、現職より大幅にダウンしている

希望年収を伝えているのに、出てくる求人がほぼすべて年収ダウン。
これは「あなたに合う求人がない」のではなく、"決めやすい案件"を回されている可能性が高いです。
1〜2件ならまだしも、提案の8割以上が年収ダウンならアラート。

サイン②:不自然に急かしてくる

こうした言葉が連発されたら要注意。
転職は人生の大きな決断です。冷静に考える時間を奪うエージェントは、求職者のためではなく、自分のために動いています。

サイン③:断ったときに、態度が急変する/脅すような発言が出る

断った瞬間に冷たくなったり、「もう転職できない」「次はない」のようなニュアンスを出してくるのは、危険信号です。
本当に求職者ファーストなエージェントなら、断られても「ご縁がなかったですね、また機会があれば」と気持ちよく送り出してくれます。


8. 自分を守るための行動指針

私自身、あの一件で大きな学びがありました。
これから転職を考えている薬剤師さんに、伝えたいことが3つあります。

① エージェントは「複数」使う

1社だけだと、その担当者の言うことが"世界の全部"に見えてしまいます。
2〜3社に登録して比較すれば、

が、はっきり見えてきます。
「このエージェント、他と比べて明らかに案件のレンジが低いな」と気づけるだけでも、騙されにくくなります。

② 個人ルート(直接応募)の選択肢も残しておく

エージェントから「もう転職できない」と言われても、それはそのエージェント経由での話。
気になる職場があれば、自分で求人サイトをチェックしたり、直接応募する道は普通に残っています。
私も、タイミング次第ではあのとき断った会社に、個人ルートで再アプローチするのはアリだと今でも思っています。

③ 納得いかなければ、堂々と断っていい

転職エージェントは「サービス提供者」であって、「あなたの人生の決定者」ではありません。
納得できない条件なら、断っていい。
これは強く言いたいです。


9. まとめ:自分のキャリアは、自分で守る

転職エージェントは、うまく使えば本当に心強い味方になります。
非公開求人を持っていたり、面接対策をしてくれたり、年収交渉を代行してくれたり。
全部のエージェントが悪い、なんてことはまったくありません。

ただし、彼らにも"ビジネスの都合"があるという事実は、頭に入れておいてください。
その上で、

この3つを意識するだけで、転職活動の景色はまるで変わります。

私自身、あのときに「570万円で決めなくてよかった」と心から思っています。
その後、現職で係長に昇格し、今は年収700万円ほど。断る勇気を持てたかどうかが、この差を生んだと本気で思っています。

あなたのキャリアを守れるのは、最終的にあなた自身です。
焦らず、比較して、納得した道を選んでください。

転職を本気で考えるなら、まずは複数の転職サイトに登録して、提案される案件のレンジを比べてみることを強くおすすめします。
それだけで、悪質なエージェントに当たったときの"違和感センサー"がぐっと働きやすくなります。

転職を考えるなら、まず「外の物差し」を持とう

複数のエージェントに登録して、自分の市場価値を確認することから始めましょう。登録・利用はすべて無料です。

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※本記事の体験談は運営者個人のものです。会社・店舗・人物の固有情報は伏せています。